先日、blogで当店のことを知った県外の方より イタヤ狐を送ってほしい旨のお電話をいただきました。 イタヤ馬のお問い合わせは時々あるものの、 イタヤ狐はあまり知られていないのか、珍しいなと思いました。 そしてその方はお送りしたイタヤ狐(夫婦)を大変喜んでくださり、 とても心のこもったメールをくださり、私もとても嬉しかったのです。 そこで、イタヤ細工の作り手のお父さんに以前見せていただいた、 「角館誌」という本で知った事をここに書き留めようと思います。 興味のある方は読んでくださいね。 ・ ・ ・ イタヤ狐とは、背面の樹皮(ウリハダ)はそのまま毛皮に見立てたもので 耳はピント立ち口は尖り、実にナイーブで味のある玩具である。 仕事の合間に材料の切れ端で単に子供にこしらえて与えたものとは思われない。 もっと隠された、前代の信仰めいたものが覗われると思う。 そしてその造形成からして、オシラ様の場合のウマ(馬頭)が不思議に連想される。 或いはイタヤ狐はイタヤ馬ではなかったかと思われるのである。 それは雲然(くもしかり)の産土が馬頭観音を祭るという事も 少しは考えに入れてもよいだろう。 イタヤ馬は今としては忘れられてしまった用途があったのではないか。 それはお盆の胡瓜や茄子の精霊馬のように、 また作神が乗る馬として、軒端にある一定の日に吊しておくとか田畑や供養塔におくとか・・・ 今はイタヤ狐もイタヤ馬もどのように利用されたかは知るよしもないが ただつれづれに子供に与える玩具ではなかったということ。 ・ ・ ・ と、こんな感じです。 イタヤ馬やイタヤ狐は一般的に、子供のための玩具、との話はよく聞きますが 作り手のお父さんにこの話を聞き、本を見せていただいたとき、 なんだかものすごく神秘的な気持ち、というか イタヤ細工の奥の深さに感心したのを覚えています。 そしてお父さんは、角館に古くから伝わる書物に忠実に、イタヤ細工を作られています。 そういう姿勢にとても心を打たれるし、そういう話を聞かせていただけるのもまた、 私にとってはとても嬉しくもあり楽しいことでもあります。 だんだんとご高齢になり、それでもイタヤカエデの木を乾燥させ削ったり編んだりと 私がイタヤ細工を知る何十年も前から、素敵な作品を作ってくれているお父さん。 「あれ作って、これ作って」 と、あまり無理も言えないなと思っているのですが 時々お父さんから 「木が少し入ったから馬ッコと狐ッコ、作ってあるよ~」 とか 「カゴっこも、ひとっつだけど作れだがら、こっちさ来れるどき寄ってもいっしど思ってなぁ」 と、なんとも嬉しい電話をくださるのです。 何度も何度も書いているかもしれませんが、お父さんの作る狐さんは本当に美しいです。 そんな美しいイタヤ狐を、たくさんのblogの中から見つけ、電話をくださったS様、 ありがとうございました。この場を借りて、お礼申し上げます。 材料さえあれば・・・というお父さんの希望にこたえるべく、 知人を通じて春に連絡をした材木会社の方に連絡してみましたら 山に入る際にいいイタヤカエデの木を探してくださるとのこと。 美人さんなイタヤカエデの木を、お父さんに届けられるといいなーって思ってます。
by mitsubachi-38
| 2012-11-15 19:17
| 秋田
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